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世界の頂点をめざし、パラスポーツの裾野を広げたい!日立ソリューションズ「チームAUROEA(アウローラ)」の選手・監督が、日常の素顔から大会日記までをお届けします。

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日立ソリューションズ「チームAUROEA(アウローラ)」の選手・監督が、
日常の素顔から大会日記までをお届けします。

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フィンランドからのビデオレター

秋晴れの14日(土)、太田渉子の地元、山形県尾花沢市で講演会が開かれた。
尾花沢小学校のPTA研修会で小学生と保護者の方700人にトリノパラリンピックについてお話をさせていただいた。演題は「やればできる - 自分の可能性を伸ばしていこう - 」で選手たちの戦いぶりや、その選手たちをサポートした多くのスタッフのことについて話をした。


校長先生からも、生徒と保護者が一緒に聞く講演会は初めてだと聞かされた。


パラリンピックで活躍する選手たちの姿に、本当に多くの方たちが感動し共感していただいていると実感した。特に、渉子の卒業した小学校とあって、体育館は超満員。
緊張してうまく話はできなかったけど、選手たちをサポートしたワックスコーチやガイドの話、フォーム動作解析の大阪府大チーム、バイアスロン・クロカンの技術指導の話など、多くの方が選手をサポートしていることを伝えたかった。


そして9月からフィンランドへ留学した渉子のことも伝えた。


フィンランドから帰国する前日、渉子から1通のビデオレターを託されていた。「自分の障害について」そして「パラリンピックに参加して感じたこと」「これからのこと、大切にしてほしいこと」が渉子の映像とともに語られた。


静まり返った体育館に渉子のメッセージが聞こえる。
渉子は、「障害のある左手にコンプレックスがありました。でもパラチームに入って、いろんな障害のある選手たちと一緒に練習に打ち込んでいるうちに、そんな自分の考えは勝手な思い込みだったと気づいた」と言う。そして渉子は、「今は、この左手でよかったと思う。なぜかというと、みんなと素敵な出会いができたから・・・」。


障害もその人の「個性」だと聞いたことがある。でも実際に、選手の言葉で、渉子から「私のチャームポイントは左手」と聞いた時に、なにかほのぼのとした、言い表す事ができない嬉しさがわいてきた。


くよくよしたって始まらない、渉子の言葉に尾花沢小のみんなも、元気をもらったに違いない。
そしてビデオレターの渉子は最後に「私は4年後のバンクーバーパラリンピックに、みなさんも目標をもって毎日を過ごしてください。」と決意を語り、「地元の応援があって、家族や先生方へ感謝の気持ちを忘れずに」と言う渉子の言葉に、とても大きく成長した渉子を感じたのは僕だけだろうか。


[写真]尾花沢市講演会の様子