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2016年3月22日(火) [アウローラ]
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2016年3月22日(火)  [アウローラ]

特集「チームアウローラ」の走る人!支える人たち!

チームアウローラブログでは、スキー部と車いす陸上競技部の選手・監督・コーチが大会での活躍や、合宿の様子、また日々の出来事などを自分たちの言葉で発信しています。
本特集ではチームの新しい力、そして選手の活躍を支える専門家の活動を紹介いたします。
支える人たち

桜井智野風先生 後編
(トレーニングサポート 桐蔭横浜大学教授)

桜井智野風先生インタビュー前編

桜井先生のご専門の運動生理学やスポーツ科学の成果をどのように生かしているのでしょうか。

私の専門では、運動して壊れた筋が再生していく段階と筋肉痛との関係を研究しています。
普通のマラソンだと一回一回ジャンプするような形で運動して重力がかかりますので、一度筋が壊れます。車いすの選手は押す運動なので、筋が傷ついて壊れることはあまりありません。その状態で、いかにしてコンディショニングをピークに持っていくかということは、健常者とはまったく異なると感じています。
久保選手がスキーをやっていた時は、引っぱる動作でしたので、からだの後ろの筋が壊れていたのですが、今は前側の筋肉を使っているのでむしろどんどん大きくなっています。それも踏まえて、調子をピークにもっていくために、私も試行錯誤をしている段階です。

筋が壊れて調子を崩すというよりも、いかにして大きくした筋をうまく使っていくかということの方が大事です。通常、休みの期間は壊れた筋を回復させる期間なのですが、久保選手の場合は筋の中のエネルギーの流れをよくすることが必要です。
筋トレをやりすぎると筋肉が固くなるとも言われますが、彼の場合はすごくいい筋肉で、大きくなり過ぎず、非常に長距離に向いている筋だと思います。

アドバイスをされる中で、久保選手について印象的に感じたことはありますか?

彼はストイックですね。
最初に会った時に私から最初にお願いしたのは「休んでください」ということでした。疲れていても、トレーニングを重ねてしまう性格でしたので、一年間くらいは言い続けました。

久保選手の競技転向については、どのように思われましたか?

シットスキーをやっている時も大分マラソンなどに出場していましたし、夏のトレーニングは車いすマラソンのレーサーでやっていました。車いすマラソンをやると、またさらに注目度も高まるかと思いますし、これまでこだわってきた競技で、さらに自らを奮い立たせるためにもやりたいと思ったのではないかと思います。

また、転向の際には、一度必ず「最大酸素摂取量」は落ちるという話を本人にはしていました。私からすると卓球からバスケットボールに変わるようなものだからと、それくらい違うということを伝えました。ただし、数値が下がった時期はこの一回だけです。
ちょうど後ろに出ている画面データがそれなのですが、まさにスキーから車いすに転向した時期です。同じ上半身を使っているといっても、スキーと車いすで使う筋肉が全然違います。スキーは引くのですが、車いすは押すのです。腕の表と裏の使い方も異なりますし、久保選手もその時は悩んだかと思いますが、また順調に上がってきているので、まったく問題ないと思います。

実演する桜井智野風先生

押す動作と引く動作で使う筋肉が違うんです!と実演してくださる桜井先生

桜井先生が目標とされていることをお聞かせいただけますでしょうか。

研究の分野にオリンピックはないですけど、自分のやっていることが将来的に競技スポーツの強化に繋がっていくようになってほしいというのが私の願いであり、目標でもあるのかなと思います。だから久保選手が強くなってくれるのはとても嬉しいです。

「チームAURORA」の皆さんへメッセージをお願いします。

スキー競技は雪という特殊な環境にも左右されるもので、精神的にとても強くなると思います。そういった競技をされている方々ですから、競技だけでなく、その後の人生においても逞しく過ごされていくのではないかと思います。

さらに、身体のある部分しか使えないという状況の中で、久保選手を見ていても思うのですが、決して言い訳をせず、覚悟を決めて競技に取り組むという一所懸命さが健常者以上に際立っているのではないかと、いつも感じています。そういう強さをもっている方々にはぜひ頑張ってほしいですし、周囲の皆さんにも応援していただきたいですね。

最後に、競技者にとって、もちろんライバルの存在も重要ですが、彼らは困難なときに立ち上がるために手は貸してくれますが、引っぱっていってはくれないです。そこで、サポートする存在としての私や事務局の方、周囲の応援が大切だと思っています。
ライバルとサポートの両方の存在が絡み合って、久保選手が突き進む力の源になるでしょう。久保選手は真面目で、よく考えて行動するタイプ。きっと強くなっていくことと思いますので、今後も楽しみです。


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桜井智野風先生
(トレーニングサポート 桐蔭横浜大学教授)

1991年、横浜国立大学大学院教育学研究科保健体育学専攻修了。2014年4月より桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部スポーツテクノロジー学科教授。
『乳酸をどう活かすか』(杏林出版)、『ランニングのかがく』(秀和システム)など著書多数。
日本陸上競技連盟普及育成部委員。日本トレーニング科学会理事。

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