
2009年10月21日(水)[日立ソリューションズ チームアウローラ]
バイアスロンとは?|荒井監督のパラリンピック競技ノルディックスキー講座
バイアスロンとは?
[質問一覧]

- 質問1:バイアスロンとは?
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バイアスロンとは、ギリシャ語で2を意味する「バイ」と、「アスロン」(競技)を合わせた言葉です。バイアスロン競技はクロスカントリースキーのなかに、射撃を組み入れたレースです。
バンクーバーパラリンピックでは、ロング(長距離)の12.5kmと、今大会からパシュート(追い抜き)の、2つの種目がバイアスロン競技になります。
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◎ バイアスロン パシュートとは
バイアスロンのロング競技は、2.5kmのコースで行われます。2.5kmを1周走るごとに射場に入り、5回のシューティング(射撃)をします。バイアスロンのパシュート競技は、1kmを1周走るごとにシューティングをします。
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◎ 独自のタイムランチャー
スタンディングとシットスキーの選手は、1.3cmの的を10m離れたところから全部伏せ撃ちで狙います。エアガン(空気銃)を使い、実際に実弾が出ます。
以前は的の大きさは2.5cmでしたが、レベルの高い競技にしようということになり1.5cmへと小さくし、さらに現在は1.3cmになりました。
バイアスロン競技では、全て的中することを駐車場ではないですが「満射」と言っています。的(まと)のことは「テキ」と読んで、「テキに当てる」と言います。的を外すとペナルティがあります。 - 質問2:どんなペナルティがあるのですか?
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ロング(12.5km)の場合は、1発はずすと、1分のペナルティです。1分が自分の実際に走ったタイムに加算されます。ロングの場合は4回射撃を行いますから、相当なペナルティになってしまうこともあります。
パシュート(3km)の場合は、予選と決勝が行われ、予選では1発はずすと20秒、決勝では80メートルのペナルティを外した数だけ走ります。 - 質問3:視覚障害者の選手はどうやって射撃をするの?
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視覚障害者の選手(ブラインド)は、実際自分の目で見て撃つことができないので、周波数を聞くことができるヘッドフォンをつけて行います。音式スコープという装置によって、的に銃口が近づいてくると、周波数が上がっていきます。その音を聞き分けて狙いを定め、撃ちぬきます。的の大きさは2.1cmです(以前は2.5cmでした)。銃は、長野のパラリンピックまではエアガン(空気銃)を使っていましたが、ソルトレイクからビーム銃に変わり、バンクーバーでもビーム銃が使われます。
- 質問4:どんな音がなるの?
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最初はドッドッドッドというゆっくりした音で、的のほうに近づいていくと、ドドドトトトと上がってきて、的の周辺までいくとブーッという音がしてきます。さらに、近づくとビーッという音になり、一番近いところでは1400ヘルツ位まで上がり、ピーっというとても高い音に変わります。その高音に変わったところを撃って的中させると、「当たりー」というような、クルクルっという音に変わる。当たらないとブッブーッというような音がなってとってもつらいんですね。
- 質問5:順位はどうやって決めるのですか?
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スキーの速さと射撃の正確さを競い、タイムで順位を決めます。
勝敗は、ロング(12.5km)の場合は、滑走タイムに係数をかけたタイムと、射撃の失敗数に1分をかけたタイムの2つを足したタイムで競います。
パシュートの場合は、予選と決勝が行われ、予選は滑走タイムに係数をかけたタイムと、射撃の失敗数に20秒をかけたタイムの2つを足したタイムで争います。 - 質問6:見所はどんなところですか?
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スキーを速く滑らせれば呼吸がみだれ、射撃の正確さが損なわれます。動と静の正反対の性格をもつ競技を、どう組み合わせるかがこの競技の最大のポイントです。スキー走行してきた選手の脈拍は、1分間に180を超え、呼吸も乱れている選手もいます。もちろん射撃のタイムも加算されますから、選手は、なるべく速く射撃することが求められます。強靭な体力と精神力をもつものが、その栄冠を手にすることができる競技です。
オリンピックとの違いは、その距離と射撃回数が少なくなるほか、射撃用の銃はエアーライフルで、伏射(うつぶせになって撃つ)すること、銃を持って滑らないことです。また、視覚に障害のある選手は、ガイド(伴走者)と共に滑り、射撃は電子音で標的の位置を知らせる音式スコープ(的に近づくと音が高音に変化し、離れると低くなる)を使います。
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