
2013年07月31日(水)[荒井秀樹]
痛恨のパンク、悔し涙の途中棄権―IPC世界陸上
障害者世界陸上の最後を飾るのは、42.195㎞のマラソンだ。
真夏のリヨン。
30℃を超す暑さのため、スタート時間が大幅に繰り上げられた。
男子23人がスタートし、その後に女子もスタートする!
号砲が鳴り響く中、小野相談役や大類事務局長、勝呂事務局員が声をからして応援した。
リヨンには4人しか来れなかったが、「社員後援会員の気持ちを伝える応援を」と思った。
日本語の久保恒造の桃太郎旗や日の丸が、やけに目立つ!
(いよいよスタート)
僕ら応援団も標高差30mがある公園の高台、上りきった給水所付近で応援した。
トップから遅れること2分、久保選手らの集団がやってきた。
ホィールをたたくゴン、ゴンという音とシャーという車輪の音、歓声が沿道に響いた。
久保、いい感じだ。
日本からは男子5名、女子1名が出場している。
頑張る選手たちに負けないように、全選手に日の丸を振って応援した。
アップダウンのきつい公園内のコース。
日本チームのスタッフの方から、「久保選手、集団から抜け出して、6位で走っている」と情報をもらう。
「一桁に入れば・・・」と、予想していただけに、いい滑り出しで最終の周回に向かう選手たちを後に、我々も先回りして、ゴールへ急いだ。
ところが、スタッフの方から
「久保、パンク」との連絡。
34㎞地点で痛恨のパンク、順位を落とし、ついにリタイア。
あ~残念。
大会ではパンクもあるこの世界、想定はしていたが、このタイミングとは無念だった。
久保も、レースで初めての経験だという。
本人が一番悔しい想いだったに違いない。
かける言葉も見つからなかったが、結果は結果。
次に向けてやるしかない。
このレースで分かったことは、まだ力のある選手が数名いるが、世界のマラソン界でトップ10入りができることが分かったことだ。
「マラソンでも世界を狙える」
こんな大きな夢と目標を持って、大分国際やソチパラリンピックに向けて、より頑張るしかない。
久保なら、必ずリベンジしてくれるだろう。
「頑張ってもらいたい」とみんなが思った。
日本から応援に来てくれた皆さんに感謝、選手をサポートしていただいた陸連の方々、コーチの皆さんに感謝だ。
そして何よりも、この素晴らしいリヨンの大会に心から感謝した。
(久保選手を励ます小野相談役)