このパラノルディックスキールール講座では、パラスポーツのなかのノルディックスキーについてお知りになりたい方のために概要を紹介していきます。今回はバイアスロンについて紹介してきます。
質問1:バイアスロンとはどのようなものですか?
バイアスロンとは、ギリシャ語で2を意味する「バイ」と、「アスロン」(競技)を合わせた言葉です。バイアスロンはクロスカントリースキーと射撃を交互に行い、競技タイムと射撃の成績を融合して順位を決定する競技です。
バイアスロンの見所は、力強い距離スキーの「動」と、射撃の「静」のコントラスト。走行による呼吸の乱れを素早くコントロールし、正確に的を狙って引き金を引くという強靭な体力と精神力が問われます。
レースではスタートすると周回コースを滑走してから射撃を行い、再び周回コースに戻ります。種目ごとに決められた距離走と射撃の回数をこなした後にゴールとなります。種目によっては射撃後に外した弾数だけペナルティーループ(立位・視覚障がい150m、座位100m)を回ることになります。

質問2:射撃の的はどのくらい離れているのですか?
射撃では1.3cmの的を10m離れたところから伏せ撃ちで狙います。エアライフル(空気銃)を使用します。


質問3:バイアスロンにはどのような種目がありますか?
バイアスロンにはスプリント・パシュート、スプリント7.5km、インディビデュアル12.5kmの3つの種目があります。
・スプリント・パシュート (射撃2回X5発)
・スプリント 7.5km(射撃2回X5発)
・インディビデュアル: 12.5km(射撃4回X5発)
スプリントのペナルティは、1発外すごとに1周150m( 立位・視覚障がい)または100m(座位)のペナルティーループを追加で周回しなければいけません。
インディビデュアルの場合は、1発はずすごとに計算タイムに1分が加算されます。4回射撃を行いますから、相当なペナルティになってしまうこともあります。
質問4:順位はどうやって決めるのですか?
スキーの速さと射撃の正確さを競い、タイムで順位を決めます。
●インディビデュアルの場合
滑走タイムに係数をかけたタイムと、射撃の失敗数に1分をかけたタイムの2つを足したタイムで競います。
●ミドルとスプリントの場合
ペナルティーループを含めた滑走タイムに係数をかけたタイムで争います。
質問5:見所はどんなところですか?
スキーを速く滑らせれば呼吸がみだれ、射撃の正確さが損なわれます。動と静の正反対の性格をもつ競技を、どう組み合わせるかがこの競技の最大のポイントです。スキー走行してきた選手の脈拍は、1分間に180を超え、呼吸も乱れている選手もいます。もちろん射撃のタイムも加算されますから、選手は、なるべく速く射撃することが求められます。強靭な体力と精神力をもつものが、その栄冠を手にすることができる競技です。
オリンピックとの違いは、その距離と射撃回数が少なくなるほか、射撃用の銃はエアーライフルで、伏射(うつぶせになって撃つ)すること、銃を持って滑らないことです。
