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世界の頂点をめざし、パラスポーツの裾野を広げたい!日立ソリューションズ「チームAUROEA(アウローラ)」の選手・監督が、日常の素顔から大会日記までをお届けします。

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日立ソリューションズ「チームAUROEA(アウローラ)」の選手・監督が、
日常の素顔から大会日記までをお届けします。

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パラノルディックスキーがどのようなルールで行われているのかを解説してパラノルディックスキーがどのようなルールで行われているのかを解説していきましょう。
パラリンピック競技ならではのクラス分けや、さらにそのなかでもノルディックスキーの特色として係数(%)というハンデをかけて競技を行なうルールをご紹介していきます。

質問1:クラス分けとは何ですか?

パラリンピックには、肢体に関する障がいがある選手と視覚障がいのある選手が参加します。
障がいの種類や程度など、医学的側面や実施競技に関連する運動機能面などによって選手をカテゴリー(立位・座位・視覚)毎に区分し、更にカテゴリーの中においても障がいの内容によって、クラスを分けて競技を行っています。

障がいの種類や程度が異なる選手が同じ種目で競い合うと、競技力以外の要素で勝敗が決まるという不公平が生まれる可能性があるため、ほぼ同じ障がいの程度の選手ごとにクラスを分けています。これを「クラス分け」といいます。

質問2:どんなクラスがあるのですか?

パラリンピックのクロスカントリーのルールでは、障がいの程度の異なる、複数のクラスの選手が同時に競技を行なうため、係数(%)というハンデを持ってレースを競います。クラスはカテゴリーごとに下記のようになっています。

●立位カテゴリーのクラス分け
上肢や下肢に障がいがあり、どの選手も2本のスキー板を使用します。選手によってはストックなしや、義足にスキー板を履かせて競技を行います。

▼クラスと障がいの内容
・LW2:片下肢に障がい 片大腿切断等(ストック2本+スキー板2本)
・LW3:両下肢に障がい 足首間接以上の両下腿切断等(ストック2本+スキー板2本)
・LW4:片下腿に障がい 片下腿切断で義足使用等(ストック2本+スキー板2本)
・LW5/7:両上肢に障がい 両上腕切断等(ストックなし、スキー板2本)
・LW6:片上肢に障がい 片側上腕切断等(ストック1本+スキー板2本)
・LW8:片上肢に障がい 片側前腕切断等(ストック1本+スキー板2本)
・LW9:片上肢と片下肢に障がい(自ら選択した用具を使用)

新田佳浩選手はLW8でストックは1本
新田佳浩選手はLW8でストックは1本


川除大輝選手はLW5/7でストックは使わない
川除大輝選手はLW5/7でストックは使わない


阿部友里香選手はLW6でストックは1本
阿部友里香選手はLW6でストックは1本


●座位カテゴリーのクラス分け
下肢に障がいがある選手のカテゴリー。どの選手もフレームとスキー板からなる「シットスキー」に乗って滑走します。

▼クラスと障がいの内容
・LW 10:下肢に障がい、座るバランスがない
・LW 10.5:下肢および上部腹筋の機能がない、座るバランスがやや良い
・LW 11:下肢に機能障がい、座るバランスがより良い
・LW 11.5:下肢に機能障がい、座るバランスが良好
・LW 12:下肢に切断の障がい

座位カテゴリー 久保選手
座位カテゴリー 久保選手


●視覚障がいカテゴリーのクラス分け
視覚に障がいがある選手のカテゴリーです。安全に競技するため、視覚を補うガイドと一緒にコースを走ります。選手はガイドの声や音を頼りに競技を行います。

▼クラスと障がいの内容
・NS1:視力0~光覚、光を感じられる程度
・NS2:光覚~矯正視力0.03または視野5度以内
・NS3:矯正視力0.03~0.1、または視野5度~20度

質問3:クラスはどのようにして決めるのですか?

障がいの種類や程度により、選手一人ひとりのクラスを決めるのがクラス分け(クラシフィケーション)です。
クラス分けは、計算タイムを算出するための障がいの程度に応じた係数を決めるため選手の勝敗に直結するほど重要と言えます。
クラス分け委員は、筋力や動作、可動域などをチェックし、腕や脚を切断している場合は欠損部分の長さも測定します。また、大会では実際に競技している様子も観察し、徹底的なチェックのもとクラス・係数が決められるのです。

質問4:クラスは変更できるのですか?

初めて属したクラスでそのまま競技を行いますが、徐々に障がいの進行度合などが変わっていくうちに、現在のクラスでは程度が合わないと判断された際に、再度申請してクラスの変更ができます。

質問5:日立ソリューションズスキー部の選手が属するクラスは?

日立ソリューションズチームAURORAスキー部のメンバーのクラス分けは以下のとおり。
・新田佳浩選手はLW8(片上肢障がい、ストック1本+スキー板2本)
・川除大輝選手はLW5/7(両上肢に障がい、ストックなし、スキー板2本)
・阿部友里香選手はLW6(片上肢に障がい、ストック1本+スキー板2本)

※これまでチームAURORAに在籍した元選手のクラス
座位の長田弘幸選手はLW10(両下肢障がい、座るバランスがない)、久保恒造選手はLW11(下肢に機能障がい、座るバランスがより良い)。
立位の太田渉子選手はLW8(片上肢障がい)。
視覚障がいの井口深雪選手はB1(現在のNS1)でいつもガイドランナーと競技に出場していました。

視覚カテゴリーB1(現在のNS1) 井口元選手
視覚カテゴリーB1(現在のNS1) 井口元選手

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