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世界の頂点をめざし、パラスポーツの裾野を広げたい!日立ソリューションズ「チームAUROEA(アウローラ)」の選手・監督が、日常の素顔から大会日記までをお届けします。

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W杯カナダ大会最終日 クロスカントリースプリント 引退レースの井口深雪、太田渉子 金【速報】

障害者スキーワールドカップ ファイナル戦 カナダ大会(最終日)
クロスカントリー競技 スプリント


井口深雪最後のレース、金メダルで有終の美を飾る。
太田渉子もコンマ5の差で勝利し、井口選手引退のレースに金メダルを添える。


3月14日(日本 15日)、障害者スキーワールドカップ(W杯)カナダ大会最終日、クロスカントリー競技スプリント1km(シットスキー800m)が行われた。レースは予選、準決勝の勝者が、決勝へと進む。決勝に進出できる者は各クラス4選手。


はじめに予選が行われ、女子視覚障害は、井口深雪(日立システム)が2分35秒9で1位。平沢知緒理(日本福祉大学)は4分00秒6で7位だった。女子立位、太田渉子(日立システムJSC)が2分46秒6で3位、出来島桃子(新発田市役所)は2分57秒0で5位。女子シットスキーの近藤さつき(日立システム)は、3分43秒9で3位。男子立位、新田佳浩(日立システム)は2分13秒2で6位、瀧上賢治(中京大学)は予選で敗退、2分41秒8で11位だった。


[写真]新田選手
(スプリントレース予選 新田佳浩選手)


[写真]瀧上選手
(スプリントレース予選 瀧上賢治選手)


[写真]平沢選手
(スプリントレース予選 平沢知緒理選手)


[写真]出来島選手
(スプリントレース予選 出来島桃子選手)


準決勝に進み、女子視覚障害の井口深雪は1位、女子立位の太田渉子は2位で決勝に駒を進めた。期待がかかった新田佳浩は惜しくも決勝進出ならなかった。平沢知緒理、準決勝で敗退。


[写真]井口選手
(井口深雪スプリントレース準決勝のスタート。障害の重い順にでるハンティングスタート。)


決勝は14日午前11時30分から、シットスキー、視覚障害、立位の順でレースが行われた。障害者スキー競技では障害に応じた係数と呼ばれるハンデを持つが(実タイムにハンデ[%]をかけてタイムを計算する)、決勝は障害の重い選手から先にスタートするハンティングスタートで行われた。


女子シットスキー決勝、LW11の近藤さつきはLW10のカナダのコレットを追い、LW11.5のカナダ選手らが近藤選手を追いかけるというレース展開で、最後のダンヒルで近藤さつきはインコースを攻めたがバランスを崩し、転倒した。3位に後退したものの全力で走りきり、3位でゴールした。2位を目標としていただけに、近藤さつきは大粒の悔し涙を流した。この悔しさを、来シーズンに向けた新たな目標の糧にしてほしい。


[写真]近藤選手
(惜しくも2位を逃し、3位。最後の下りで転倒した。
ゴール後悔しく号泣する近藤さつき。)


女子視覚障害の決勝では、B1の井口深雪が先にスタートし、ロシア、カナダの選手が追いかける展開。井口深雪は終始トップの座を守り、1kmを走りきった。


ゴールした井口深雪選手と小林卓司ガイドにアドバイザーの横山久雄さんと新田佳浩選手が花束を渡した。引退する井口深雪選手に、日本チームや大会のボランティアの人たちから大きな拍手が沸き起こった。マウントワシントンの晴れた空に井口深雪選手が胴上げされた。このレースが、井口深雪選手の最後のレースとなった。


女子立位決勝では、太田渉子がポーランドのカトリーナを追う。最終100m手前で4人が争う激しいレース展開となったが、最後、コンマ5秒の差で太田渉子がカトリーナを交わし、勝利した。


[写真]太田選手
(スプリント決勝、逆転し優勝。万歳でゴールする太田渉子。)


井口深雪の引退する日に、太田渉子が金メダルという花を添えてくれた。


今シーズンは、井口深雪、太田渉子2人のバイアスロン年間世界チャンピオンが誕生し、最高の結果で終了するが、これからのさらなる課題や問題点は尽きない。応援いただいた日本の皆さんと一緒になって、このノルディックスキーチームを強く、たくましく、素晴らしいチームにしたいと願っている。これからも、多くの皆さんのご指導やご声援をお願いします。


14日午後6時(日本時間15日午前11時)から、世界ランキングの表彰式が行われる。


[写真]井口選手胴上げ
(最後のレース。チームメイトから胴上げされた井口深雪。
ありがとう深雪、お疲れ様、深雪!)