2008年03月03日(月)[荒井秀樹]
世界は専門種目に絞り込む時代に入った。日本はこの流れに乗り遅れないようにしていきたい
今季ワールドカップ全3戦を終えて、はっきりしたことは、各国が長距離、スプリント(短距離)、バイアスロンの各種目において専門選手の育成を始めているということだ。
クロスカントリースキーにおいてはクラシカル、フリーと走法によっても、選手の得意分野に絞り込み、強化を進めている。
これは、スプリント(短距離)種目と、バイアスロンパシュートが2010年バンクーバー・パラリンピックに採用が決まったことも影響している。
専門性を高めて、メダル獲得を確実にするためだ。
日本は、この世界的な流れに乗り遅れないようにしなければならない。
また、もう一つの特徴として、各国がこれまでより、バイアスロンに力を入れているということがあげられる。
06年トリノ・パラリンピックまでは、ライフル銃は大会組織委員会が用意したものをレンタルして使う国がほとんどだったが、今季は、ロシア、ウクライナの2強を中心に、強豪国のほとんどが自前で銃を用意していた。
その結果、今まで以上に射撃の命中率が高くなっている。
日本としてはこの急速な流れに対応していかなければ、パラリンピックでは非常に厳しい戦いになると、痛切に感じた。
そのためには、一日も早く国内での障害者専用バイアスロン施設建設にこぎつけたい。
今季は佐藤圭一(中電CTI)、久保恒造(北海道協会)がW杯に初参戦した。新しいメンバーが加わったことは、日本チーム全体の底上げにつながった。
こうした選手たちがいるからこそ、新田佳浩や太田渉子(ともに日立システム)が表彰台に上がることができている。
ノルディックスキーは個人種目だが、チームで戦い、チームで勝利することもとても重要だと実感した。
今季W杯では11個のメダルを獲得することができた(新田4、太田7)。来季はさらに上を目指して戦いたい。
今季も応援してくださったすべての方々にお礼申しあげます。
来季もチーム一丸となって、全力を尽くしてまいります。
応援ありがとうございました。
《カナダ・パラリンピックに新田と太田が出場》
3月16日~23日、カナダ・バンクーバーで行われるカナダ・パラリンピックに日本から新田と太田が出場します。
この大会は、2010年バンクーバー・パラリンピック使用コースで行われるもので、日本としてはパラリンピックの試走と現地状況の
事前調査も兼ねて出場を決定しました。