
2009年03月08日(日)[荒井秀樹]
新田は体力差を埋めればさらに上位を狙える
男子立位の新田佳浩が決勝に進出し、5位だった。
予選でライバルのイルカ・トゥオミスト(フィンランド)と競り合いを演じて2位、準決勝は4位で通過した。
メダルには届かなかったが、まずまずの滑りをしたと言える。体力差を埋めれば、スプリント(短距離)でも上位を狙えると確信した。
瀧上賢治は13位だったが、現在の瀧上の義足は高低差の激しいコースには対応しておらず、ダブルポール(両手でストックを使うこと)による推進滑走が主体の瀧上の滑りでは、上位進出は厳しい。
今季終了後には、義足の改造に着手したいと考えている。
男子座位の久保恒造は14位、長田弘幸は21位とどちらも予選敗退だが、現在の2人の実力からすると健闘してくれたと思う。
短距離種目ではとくに強豪とのパワーの差がはっきり出る。
時間をかけてトレーニングを積み、短距離でも勝てる体づくりをしてほしい。
女子立位の太田渉子は5位だった。
準決勝では下りで転倒したのが響いて決勝には進めなかったが、予選ではアンナ・ブルミストロワ(ロシア)と同タイムで4位となり、よい滑りを見せていた。これを今後への自信としてほしい。
出来島桃子は13位。
クラシカルは得意ではないので順位としては妥当なところだ。
今日まで日本チームで今季の全レースに出場しているのは出来島のみ。本人の意向で種目を選ばず出場している。体力的にきつい部分もあると思うが、メンタル面での安定とチャレンジ精神は若手のお手本だ。
女子視覚障害の鹿沼由理江/〈ガイド〉大平紀夫の6位は大健闘だ。
出場選手中、全盲は鹿沼のみだが、いつもながら積極的な走りを見せた。来季もこの積極性を大切にし、トレーニングを積んでより上位を目指してほしい。
今大会も日本からたくさんの応援をいただき、ありがとうございました。
来年のバンクーバー・パラリンピックに向けて、レースの流れやコース確認、移動や宿泊面などさまざまな面でシミュレーションができました。これらの結果をしっかり精査・分析し、来年に生かしたいと思います。
3月11日からはW杯最終戦が始まります。
引き続き応援をよろしくお願いいたします。