2018年04月02日(月)[アウローラ]
チームAURORAスキー部 シーズン報告会
3月23日(金)、チームAURORAスキー部のシーズン報告会が行われ、冬季ワールドカップの連戦から平昌パラリンピックを終えた新田佳浩選手、阿部友里香選手、川除大輝選手、荒井秀樹監督、長濱一年コーチがホームに凱旋しました。
(スキー部シーズン報告会)
最初に後援会会長の柴原節男社長より、選手たちのさらなる活躍と健勝を祈ってご挨拶をいただきました。
(柴原節男社長)
新田佳浩選手は、平昌パラリンピックではスプリント・クラシカルで銀メダル、さらに10kmミドルクラシカルで2大会ぶり3個目の金メダルをを獲得しましたが、「チームの繋がりや皆さんの応援があってのこと」と感謝を述べました。
(金メダル、銀メダル獲得の新田佳浩選手)
また最終日のリレーにはチームアウローラの3選手が出場、べテランの技術と次世代の力を発揮し見事4位に入賞しました。阿部友里香選手は「悔しい大会だった」と涙を堪えながらも次の目標に向かう決意を述べ、川除大輝選手は新田選手のメダル獲得を目の前にさらなる前進を誓いました。
最後まで選手たちは後援会の皆さんの温かい拍手や声援に包まれていました。
(進行はチームアウローラの太田渉子元選手。世界で戦ってきた度胸で司会も板についてきました。)
▼監督、コーチ、選手のコメントをご紹介いたします。
■新田佳浩選手のコメント
一昨年はこの場で「覚悟をもって臨む」と言い、今年は長濱コーチの「夢はかなう」というテーマだったのですが、みんながメダルを欲しいと言って取り組んでいるんだから本当に「かなう」ためには何が必要なのかを考えたんです。
それで<覚悟をもって口にして、その言葉をかみ砕いて、必ず自分だったらできるんだ、と信じられれば夢がかなう>んじゃないかと思って臨みました。
実は平昌に出発するときに羽田で偶然久保選手に会ったんです。今は陸上をやっているけれど、ソチで久保君が銅メダルを取ってこのチームは5大会連続でメダルを獲得できた。いろんな仲間がいて技術や応援があってこそ続けていけて、今メダルを取れてこの場にいるんだと思います。
そして4年後にはこの若い二人がきっと繋げていってくれる。リレーでも1秒でも縮めようと走ってくれました。その思いをもってやっていけば彼らは必ずメダルの取れる選手になれると思います。
今日はありがとうございました。
(控室で「お子さんはメダルを喜びましたか?」との質問に「実は何もなかった。『よかったね』も何にも!僕、このために頑張ったんだけど、予想外の反応にショックでした」とまさかの展開を披露。「でもすごく応援してくれてたし、そのことが彼らの記憶にはすごく残っていくと思う」と嬉しそうに語ってくれました。)
■阿部友里香選手のコメント
今回のパラリンピックは悔しい大会でした。応援いただいたのに結果を出せず申し訳ないです。最後のリレーで新田選手、出来島選手二人の先輩にも引っ張っていただき4位に入ったのが唯一の救いです。4月から社会人になりこの会社でお世話になります。よろしくお願いします。
(前日に大学の卒業式を終えたばかりという阿部選手、「ソチからの4年間はあっという間だったので、次の4年間もあっという間になると思う」と次への想いを語っていました)
■川除大輝選手のコメント
今までの世界大会と違い観客も多くて緊張しました。結果には満足していませんが力を出し切れたので、よかったと思います。目の前で新田さんが金銀メダルを取られたので4年後はそれをめざして努力していきたいです。応援ありがとうございました。
(控え室で新田選手から「僕は2回目のパラリンピックで銅メダルを取ったから、北京で銀以上取ってね!」といじられていました。)
■荒井秀樹監督のコメント
大会に向けて選手にどのように勝たせるのかという課題に向き合い、日本の技術力で選手をサポートするという目標を掲げました。
例えば、気象予報会社に依頼して30分ごとに気象条件を知らせてもらう。これによりワックスを綿密に調整できるようになりました。実は新田選手がミドルレースの最初に転倒したのは、レース後半用に調整したワックスだったために最初の雪質ではひっかかってしまったんです。長濱コーチ、佐藤ワックスコーチの蓄積された知見が今回の成果につながったと思います。
さらにタイムランチャーを用いてタイムに係数をかけるソフトを作成してもらい順位がリアルタイムでわかるようになっています。
また新田選手には現役で活躍している選手を練習パートナーとして迎えるためのサポートもしていただき、本当にチームとしての力で勝ち取ることができたと思います。
応援ありがとうございました。
■長濱一年コーチのコメント
新田選手はソチでメダルを取れなかった悔しさを胸に必ず平昌で取るという決心で4年間続け実現させた。スプリントでは惜しくも銀メダルでしたがポジションは非常に良かったので、次のミドルではきっとやってくれると思っていました。私は常にどんなことがあっても努力し続けられる選手が真に才能があると思っています。彼は常に前向きに続けることができ、有言実行しました。
私も金メダルを取らせることができて、任務を完遂することができたと思っています。
阿部選手の今回の目標はメダルを取ることでしたが、残念ながら実現できなかった。しかし頑張っている姿は見ています。パラリンピックということで硬くなってしまったり、自分の中に魔物がいるのかなと思いますがそれをコントロールしていければと思います。4月からは社会人になります。次の北京をめざして頑張ってほしいです。
川除選手は高校2年生でパラリンピック初出場でしたので、今回経験して次の4年後に繋げてくれればと思い、レースに送り出しました。惜しくも入賞に届きませんでしたが、レース終了後に非常にすがすがしい顔でワックスキャビンに戻ってきて、精いっぱいやったんだなと思い、印象的でした。
二人には新田選手の金銀メダル獲得で何かを感じて、それを今後にどうつなげていくか考えて欲しいと思っています。
最終日のリレーには3選手とも出場しましたが、荒井監督とは良くて8位、ダメだったら9位と予想していました。一走の新田選手が2位で良い位置につけ、他の3人も頑張って大健闘の4位でした。3位まであと23秒でしたのでもう少し早く状況がわかっていればもっと作戦を立てメダルを狙えたかもしれないと思いました。
大声援をいただきありがとうございました。