2007年03月14日(水)[荒井秀樹]
バイアスロンロング 井口深雪、太田渉子 金。今季バイアスロン総合優勝。【速報】
2007年3月13日(日本14日)、IPCノルディックスキーワールドカップ最終戦 カナダ大会 第3日目、バイアスロンロングが行われ、井口深雪、太田渉子が金メダルを獲得、今季バイアスロン総合優勝を決めた。
ブラインド女子の井口深雪は、射撃20発中20発満射(全発的中)。今季バイアスロン競技の世界ランキング総合チャンピオンとして貫録勝ちした。ロシア、デンマークの選手が射撃をミスするなかで、完全な命中率を誇る井口深雪が走力でも負けていなかった。
5周目のゴール手前100メートルからは、小林ガイドと井口選手が万歳を繰り返しながらゴールした。井口選手の現役十数年間、今までゴール手前で万歳をしながらゴールしたことはなかった。カメラを構えていた僕は涙がでてきて、シャッターが切れなかった。ほんとうに感動的なゴールだった。このひとときを日本で応援してくれた多くの皆さんとともに分かち合いたいと思った。
(小林ガイドの「監督がカメラかまえているから、万歳しろ!」の声に、小さく万歳する井口深雪選手、貫禄の金メダル!)
次にはじまったスタンディング女子の太田渉子は、引退する井口深雪の後を継ぐかのように、走力で素晴らしい滑りをみせてくれた。めずらしく1回目の射撃で2発をはずし、アメリカのケリーや日本の出来島に大きく遅れをとった。しかし、あわてることなく、3回目、4回目の射撃で確実に満射をさせ、他の選手に大逆転し、最終バイアスロンのレースで有終の美を飾った。
2007年の最後のバイアスロンレース、太田渉子のねばりと力強さを見せつけたレースだった。そして、今まで日本人には無理だと言われていたこのバイアスロン競技で見事今季バイアスロン総合優勝、チャンピオンの座を射止めた。
僕はこの勝利で太田渉子の頑張りも称賛するが、日本からたくさんの人たちの応援が彼女の背中を押してくれた。尾花沢市の市長さんはじめ山形県の皆さん、ほんとうにたくさんの人たちから応援をもらっている。僕はそれを思うと、感謝の気持ちでいっぱいだった。
(アメリカのケリーに射撃ペナルティで200秒以上リードされ、苦しい展開!3回目、4回目の射撃で満射し、走力でも最終ラップに大逆転した太田渉子選手。)
明日残されたスプリントレース、全ての人たちに感謝の気持ちをこめて、チーム全力で闘うことを決意した。