2008年10月20日(月)[荒井秀樹]
バリアフリーとトレーニング
夏、冬のパラリンピック種目のなかで、日本国内において施設がなく、トレーニング環境がない競技種目は、
このバイアスロン競技ではないだろうか?
しかしながら、そんな環境の中で日本はこの競技、世界のトップクラスである。
過去のパラリンピックで、金2、銀2、銅1の実績と
2007世界ランキング総合で2名の世界チャンピオンをも輩出している。
シットスキーができ、エアライフル射撃も可能なクロスカントリースキーコースは、残念ながら日本にはない。
(メタルターゲット、的は直径1.5cm)
(射座から的までは10m)
ここフィンランドのボッカティでは、
車いす選手が手軽に移動でき、射撃、スキーのトレーニングができる。
それにホテルや道路もバリアフリーになっていて、
体育館、プールなどのスポーツセンター施設全体が、誰にでも利用しやすい環境だ。
この日、長田、久保選手はバイアスロンの射撃トレーニングに取り組んでいる。
初弾までのタイム短縮と命中率、心拍をあげた射撃のタイムと命中率など、課題に応じて成果を上げている。
(シットスキーで負荷をかける久保選手)
(心拍数160で射座に入る久保選手)
(初弾まで15秒を目指す久保選手)
久保選手は、基本射撃をマスターしながら、
負荷をかけて射撃練習を行った。
シットスキーでの軽負荷(心拍数130)、中負荷(心拍数140)でも、初弾18秒から15秒以内で撃つことができるようになった。
そして重負荷(心拍数160以上)にも取り組んだ。
日本チームのバイアスロンコーチで、
元オリンピック選手の阿部コーチは、
「日本では、できない練習をすることができるので、
選手たちも張り切っている。
来年の1月に行われるIPC世界大会までに、各選手の目標設定をクリアしたい。」
と意気込みを語ってくれた。
(バイアスロンコーチの阿部さん)
ローラースキーコースを自転車で行く阿部コーチ。
夢はもちろん、選手たちの表彰台だ。