2008年12月25日(木)[荒井秀樹]
さおだけ屋は なぜ潰れないか?
合宿期間中の久保選手。
配属は人財教育部で、いつも職場の課題をもって参加している。
合宿も中盤にさしかかった頃、
久保君が「荒井さん、なんで、さおだけ屋がつぶれないか、知ってますか?」と
自慢げに聞いてきた。
(へ~、意外とものしりだね・・・)と思ったけど、
真面目に答えてもつまんないから、
「だいたい、さおだけ屋は、警察の張り込みが多いんだよね・・」と
昔、テレビの刑事ドラマの話をしてあげた。
「たぶん本当だから、つぶれないんだよね」って。
そんな答えに久保君はびっくりしていたが、
実は、今回の久保選手の課題は、
山田真哉氏の「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?(光文社新書)」の本を合宿中に読んで、
レポートを提出することだった。
会計学を面白く、分かりやすく読めるこの本はベストセラーになっている。
合宿の夜の自由時間、本を読んで、パソコンに向かっている久保選手。
なにか独り言を言いながら文章を書いている。
練習の時よりも真剣な顔・・
スキー部を立ち上げ、トリノ・センターポール作戦を計画したとき、
顧問であった渡部勤さんから、
「数字で表すことのできないスポーツや競合分析など意味がない」
「1km当たりのタイム、初弾のタイム、射撃タイム、
命中率・・など徹底した比較できる単位、数値で表現しないと、だれも見向きもしない」と、教えられた。
「企業がやる以上、数字で勝負しよう」と。
そして膨大なデーターを一目でわかる表にしてくれた。
今のスキー部にはデーターで勝負する、この財産がある。
まさに会計学からみたスキー部の活動だ。
強国ロシアやウクライナに、一企業チームが真っ向勝負している。
長田は、バイアスロンのパシュートで、
新田は、クラシカルで、
太田は、バイアスロンとスプリントで、
久保は、長距離で。
データーを分析し、どの種目で勝負させるか。
スポーツを数値化にする力を持っている。
だから、日立システムスキー部は強いのだ。
2009世界選手権、ワールドカップ、
そしてバンクーバーパラリンピック・プレ大会と続く。
選手たちの鍛え抜かれた身体と
企業が培ってきた、ものの見方や考え方を結合して、
必ず勝利できると確信している。
今夜も久保選手、
1セット50回、これを10セット。
これを続ければ、雪原を思うがままに走り回れる。
1km3分で・・・。
もちろん、ジムで汗をかいた後の久保選手、
「さおだけ屋・・・」の宿題は忘れていない。