2009年03月12日(木)[荒井秀樹]
久保恒造 初の表彰台
快晴のバンクバー島のマウントワシントン。
バイアスロン7.5kmレースが行われた。
久保恒造が射場に入り、呼吸を殺しながら、1.5cmの的を狙う。
5弾をリズムよく撃ち込み、満射!
応援に来た子供たちの大歓声が起こる。
レースを重ねるごとに進化する久保恒造はすごい。
ロシア、ウクライナ、ベラルーシの強豪がひしめくシットスキー男子。
いつのまにか、表彰台を狙う位置まで押し上げてきた。
そして2回目最後の射撃、
コースの山の中にいるコーチたちが、祈るように無線を待っていた。
射場から無線が入る。
「久保、満射!」
歓声があがる。
「よし!今5k地点、恒造3番手」
「2番手フランスに6秒負け、4番手に10秒勝ちだ!」
「最後の登りが勝負だ、早く先回りしろ!」
30秒おきにスタートするこの競技、選手たちは何番手なのか分からない。
苦しい表情をする久保恒造にコーチたちの檄がとぶ!
「恒造、2番手と6秒差だぞ!」
(ラストスパートする久保恒造)
ゴールする久保恒造にチームメイトが駆け寄った。
会場に、久保恒造が逆転し2位に入ったアナウンスがこだました。
うれしい表情を爆発する久保恒造は涙で潤んでいた。
各国の選手やコーチが久保恒造を祝福する。
「ここまで来れたのも、みんなのおかげ・・」
(2位のアナウンスに思わず照れる久保恒造)
(祝福に駆けつける海外の選手たち)
1時から表彰式が行われた。
歓声を上げる選手や応援に来た子供たち。
世界チャンピオンのイレク(ロシア)と肩を組んでの表彰式。
バイアスロンコーチで同じ北海道美幌町出身の阿部由香里コーチに
そっとメダルを見せていた。
阿部さんに感謝だ。
来年のバンクーバーパラリンピック。
「走りでは負けている」と悔しがる久保恒造。
「ロシアの選手の走りはかっこいい。自分はまだまだ」
久保恒造の進化は、まだ続く。
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