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世界の頂点をめざし、パラスポーツの裾野を広げたい!日立ソリューションズ「チームAUROEA(アウローラ)」の選手・監督が、日常の素顔から大会日記までをお届けします。

世界の頂点をめざし、パラスポーツの裾野を広げたい!
日立ソリューションズ「チームAUROEA(アウローラ)」の選手・監督が、
日常の素顔から大会日記までをお届けします。

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シットスキーに感じるパラリンピックの凄さ

ドイツで行われている障害者スキーワールドカップは、いよいよ後半戦に入った。


21日のレース、コース脇に、地元のこどもたちが応援に駆けつけてくれていた。クロカンのオーベルストドルフ・ジュニアスキークラブのこども達。そのこどもたちを驚かせたのは、世界のシットスキー選手たちの凄さだった。


僕は、このシットスキーこそ、全てのスポーツの中の、キングオブスポーツだと思っている。そんな彼らの滑りを見たとき、誰もが驚き、その凄さに言葉を失う。


[写真]シットスキーのレースを応援するこどもたち
(応援する子供たちの目は輝いていた)


障害のことを理解していれば、なおさらだ。
僕は、それでもスポーツに魅せられて世界を目指すシットスキー選手たちの努力が、どんなに大変かを知っている。


スポーツは、限界を感じさせない。誰にでも可能性はあるということを教えてくれている。


健常者でさえ、スキーを開脚して登る急坂を、彼らは腕だけの力で進む。それも、少しでもタイミングを間違えると、後ろへ逆戻り、下がり、転げ落ちてしまうのだ。


ここオーベルストドルフのコースは難所だ。何人もの選手が転げ落ちていった。そして何回もトライして、誰一人として、ギブアップするものはいない。


そう、いないのだ。


[写真]上り坂で転げ落ちる選手
(力尽きて落ちていく選手)


コーチたちの、


「こんな坂にまけるな!」


「さあ、登ってみろ!」


という檄が、
ワンポールごとに飛ぶ。


それにつられるかのように
こどもたちも、声をからして応援する。


こんな限界に挑戦する彼らを見たとき、
スポーツの持つ素晴らしさを感じさせてくれるし、パラリンピックの凄さを改めて教えてくれる。


それは、彼らの誇りがそこにあるからだろう。人間として、自信に満ちた大きな彼らがそこにいる。


オーベルストドルフも、あと2レースとなった。
シットスキーに声援を送ったこどもたちの瞳がとても輝いてみえた。


そして僕は、とても大切なことを教えてくれているパラリンピック選手たちに、
心から「ありがとう」と声援を送った。


[写真]シットスキーヤーに檄をとばすコーチたち
(コーチの檄が飛ぶ)