2008年02月03日(日)[荒井秀樹]
太田渉子、惜しくも4位。「切り替えて、明日がんばります」
今季初のバイアスロンで上位入賞を目指したが、
残念ながらメダル獲得にはならなかった。
昨年ワールドカップバイアスロン総合優勝の太田渉子は4位。
4周目まで5位だったが、最後の射撃は満射(全5発命中)とし、4位に順位を上げてゴールした。
今日は射撃が不調だった。3発外して命中率は85%。
いつもより約10%も低かった。
今季初めてのバイアスロンで、やや空回りしてしまったかもしれない。
ただ本人は、最後の射撃で満射として逆転したことで
『明日につながった』と語っており、気落ちはしていない。いつもの渉子スマイルで寮に帰っていった。
レースでは、20発中の射撃で、新田佳浩が70%、長田弘幸が70%、近藤さつきが70%の射撃命中率。
昨シーズンから比べるとかなり向上していると評価していいが、走力で厳しい戦いをしている日本にとっては、この射撃力が問われている。
長田は今季、ここまでクロスカントリーでは20位台だったが、今日は16位に食い込んだ。しかし、本人は命中率85%を目標にしている。さらに順位を上げていきたい。
日本のおやじたちがみんな、応援してくれている。
ゴールした近藤さつきも、もう少し上位へ食い込めるかと思っていたが、厳しい結果だった。うっすらと悔し涙をみせる近藤さつき。
しかし、昨年まで命中率が20%~30%だった近藤さつきも、今日は70%と大きく成長した。
射撃の能力を生かすためには、トップとは5分以内差ぐらいまでに詰められる走力をつけることが必要だ。
課題が明確になってきたので、今後の強化が楽しみだ。
今日は日本が出場していない視覚障害の部も含めて、
全メダル18個のうち、ロシアが7個、ウクライナが6個を獲得した。
2カ国の強さは群を抜いており、とくに昨年に比べて射撃の技術力も高くなっている。
このような現状を見ると、海外勢との走力の差を射撃でカバーしている日本選手にとって、90%以上の命中率をたたき出さなければ、上位進出が厳しいことを痛感させられた。
明日はフィンランド大会最終日。
パシュートが行われる。
納得のいくレースになるよう、全力を尽くしたい。
バイアスロン競技方法
バイアスロンとは、ギリシャ語で2を意味する、「バイ」と「アスロン」(競技)を合わせた言葉です。クロスカントリースキーのなかに、射撃を組み入れてレースを行います。1周ごとに射撃(5発)を4回、全20発の射撃を行い、1発外すとペナルティーとして、+1分加算されるルールです。
エアライフルを使用し、10m先に設置された1.5cmの的に4.4mmの弾を命中させます。
メタルターゲット1.5cmの的を狙う。
命中すると、白い蓋が反転し命中したことが分かる。
10m離れた射座から、選手は伏せて撃つ。
風の影響も受けやすく難しい。