2012年04月12日(木)[新田佳浩]
足りないもの―ワックスマンをやって見えたこと
ワールドカップフィンランド大会では、急遽予定していたワックスマンが来ることができない事態になってしまい、途中から佐藤圭一選手(所属:エイベックス・エンタテインメント)と一緒にワックスマンを行いました。
だからといって、成績が悪かったのはワックスマンをやったからというわけではありませんが、ワックスマンをやっていると様々なことが見えてきます。
シーズンを通して感じたことなのですが、今回ワックスマンをやって確信したことがあります。
それは、選手があまりワックスに対して興味がないということです。
いつもワールドカップでは、ワックスマンが塗ってくれた板を受け取ってレースに臨むのですが、私はレース後に今日のワックスは何を塗ったのか?と聞いています。
滑った。滑らなかったというだけでなく、どうしてそのワックスを塗ったのか?地域やコースによって滑るメーカーの傾向もわかるため、情報を聞くことは非常に重要だと思っています。
いつもだとレースが終わった日のミーティングのときに、ワックスマンから今日塗ったワックスの情報を教えてもらっていたのですが、今年はミーティングのときにワックスの情報を話さないようにお願いをしていました。
それは本当に必要だと思うなら、選手からワックスマンに聞くだろうと思ったからです。
ワックスマンをやって、「今日、塗ったワックスは何ですか?」と聞いてきた選手は数名・・・
そんなことを聞かなくても、速ければ良いと思うかもしれませんが、私はそこが足りないからこそ、変えればさらに強くなる可能性を秘めていると思っています。
選手はいつも受身で、コーチや監督に言われたからやる。
それはワックスだけでなく、トレーニングでも同じことをやっているように思います。
今の自分には何が足りないか?
そのことがしっかりわかれば、もう1度浮上できると思うワールドカップでした。
では、今の自分に足りないものは?と聞かれたときに、最初に出てくるのが、「スケーティングの走力アップ」そして次に「苦しいときに身体を動かし続けること」だと思います。
そのためにやらなければならないことを、またブログで紹介していきたいと思います。
★ ワックス関連記事
◎ ワックステストの方法
◎ スキーワックスの難しさ
◎ 公式トレーニングとワックスマン