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世界の頂点をめざし、パラスポーツの裾野を広げたい!日立ソリューションズ「チームAUROEA(アウローラ)」の選手・監督が、日常の素顔から大会日記までをお届けします。

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日立ソリューションズ「チームAUROEA(アウローラ)」の選手・監督が、
日常の素顔から大会日記までをお届けします。

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第3回 大会コースを深掘り解説

特集!!開催迫る!

ワールドカップ札幌大会、その先へ!

【第3回】大会コースを深掘り解説

「2017 IPCノルディックスキーワールドカップ札幌大会」の日本開催ならではの特長やコースコンディション、新田佳浩選手、阿部友里香選手、川除大輝選手それぞれのレースのポイントを荒井秀樹監督にお聞きしました。

早速ですが、西岡競技場のコースについて"深堀り解説"していただけますでしょうか?

西岡バイアスロン競技場は1972年札幌オリンピックの時に作られた競技場です。今年2月の冬季アジア大会でも利用されました。今回、IPCノルディックスキーのバイアスロン大会を日本で開催するにあたっては、西岡しかないと思っていました。
スタンディングとブラインドは既存のコースプロフィールをそのまま使いますが、シットスキーは斜面がきつくて登れないところもあるので、専用のコースを作ります。
西岡のコースは長い直線の登りがあって、あまり曲がりくねったりしていませんので、しっかりと前にいる選手を目標に捉えて走ることができます。また、下りも転倒してしまうようなところはないので、コース取りをしっかりすればロスタイムのない走りができます。

新田選手

急勾配のコースを上る新田選手

阿部選手

阿部選手、後ろは長濱コーチ

コースは2.5kmの周回コースで1周ごとにスタジアムに戻ってきますので、観客は世界レベルの選手のエキサイティングなパフォーマンスを楽しむことができます。
今年は札幌も雪が多いので、コースを作るための雪は十二分に豊富であろうと思っています。
3月は湿雪になっていますので、ワックス選定もかなり難しくなってきますが、日本チームのワックスコーチはとても優秀なので頑張ってくれると思っています。

北海道バイアスロン連盟の菊地二久理事長、荒井監督

北海道バイアスロン連盟の菊地二久理事長とコースの確認をする荒井監督

各選手にとってのレースのポイントを教えてください。

新田選手は10キロのフリースタイルと、5キロのクラシカルに出場します。彼の場合はタイムが落ちない走りができるので、最初の2.5キロを必ず上位で帰ってくることが、メダル獲得に向けてとても重要になります。新田選手は観客がいっぱいいると燃えるタイプなので、地元の方々など、応援があると一層頑張れると思います。

阿部選手はクラシカルショートの2.5キロが見所になると思います。また、射撃の調子がいいので、バイアスロンの最終戦のショートレースでどれくらい頑張れるかが、ポイントになると思います。

川除選手は出場されますか?

川除選手はピョンチャンと札幌で行われるワールドカップに出場します。彼は今、高校1年生で今年のインターハイにも出ています。今は、一般の健常者の高校生たちと切磋琢磨してどんどん速くなってもらって、その中でワールドカップにも出て国際大会の経験を積むのが良いと思っています。

川除選手

川除選手のスケーティングを見る新田選手

日本開催ならではのことがありましたらお聞かせください。

バイアスロン競技の国際大会の開催は、長野パラリンピック以来19年ぶりなんです。日本では、エアライフルも銃刀法の範囲ですので、取り扱いや管理を非常に厳格にしなければいけません。
今回は警察をはじめ、関係機関の皆さんの尽力があり、外国の選手たちもエアライフルを持ち込むことができるようになりました。また、競技の際には、コーチを補助者という扱いにして銃を持ち運びできるように調整してくれました。今回の大会を契機として、バイアスロン競技が日本で普及、発展していくといいなと思います。

バイアスロンの射場の標識を確認する

バイアスロンの射場の標識を確認する

ワールドカップ札幌大会の参加国を教えてください。

アメリカ、イギリス、ウクライナ、オーストリア、カザフスタン、カナダ、韓国、スウェーデン、ドイツ、日本、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、モンゴルの15か国からエントリーがありました。多くの国に参加してもらいたかったので、日常的に各国の皆さんに声をかけてきました。

2018年のピョンチャンの事前合宿を北海道でやりたいというチームが多いですし、2022年には北京で冬季オリンピック・パラリンピックがあります。北海道が、ピョンチャンや北京の事前合宿地として受け入れられる環境を充実させ、同時に大会などを開催していけば冬のパラスポーツのメッカになっていくのではないかと期待しています。

西岡競技場

徐々にコースの準備が進んでいます

選手たちへのエールをいただけますか?

新田、阿部、川除の三選手とも悔いが残らないようにトレーニングして自分の立てた目標の実現のために頑張ってもらいたいと思います。継続する力というのは本当に偉大なので、必ずピョンチャンパラリンピックでのセンターポールが見えてくると思います。コーチ、監督だけでなく、社員の皆さん、日本の皆さんと力を合わせて、ピョンチャンでも金メダルを狙っていきたいと思います。

新田選手もバンクーバーパラリンピックで金メダルを取るまでに10年以上かかっているんです。こういうことは1年、2年では結果が出ないので、阿部、川除両選手も頑張ってトレーニングして、新田が12年目で取れた金メダルを自分たちは10年で、あるいは8年、6年で取るぞという気構えで、ぜひ先輩に負けないように、頑張ってほしいですね。

AURORAブログの読者の方にメッセージをお願いします。

ぜひ競技場に来て、生で選手たちの走りを見てもらいたいと思います。西岡までは真駒内駅からシャトルバスが出ます。選手たちにとって、皆さんの応援が一番の励みになりますので、ぜひ現地に足を運んでいただいて選手たちを応援してください。

「チームAURORA」は2004年に創部しましたが、夏冬すべてのパラリンピックの競技の中で、初めて実業団チームを作ったという大きなインパクトがありました。今、パラリンピックが皆さんに認知され、応援いただけるステップに来ていますが、日立ソリューションズのAURORAがなければ、ここまでの全体的な動きはなかったのではないかと思います。
私たちには、この日立ソリューションズの社員後援会という、一番の強力な応援団がついていますので、社内でも社外でも応援いただけるように、いつも心構えをもってやっています。どうぞよろしくお願いします!

コースの深堀解説ありがとうございました。次回の特集では「札幌ワールドカップ開催目前!札幌便り 」をお届けします。お楽しみに!