
2025年05月28日(水)[アウローラ]
クロスカントリースキーとは?
このパラノルディックスキールール講座では、パラスポーツのなかのノルディックスキーについてルールを中心に概要を紹介しています。
今回はクロスカントリースキーについて解説します。
質問1:クロスカントリースキーとは?
クロスカントリースキーとは「雪原のマラソン」とも呼ばれ、専用のスキーとストックを使って滑走し、タイムを競います。パラ競技では上り・下り・平地が、それぞれ約3分の1の割合になっているコースを走ります。全身の持久力や筋力、スキーの操作技能の高いレベルが要求される競技です。
●カテゴリーとクラス、係数
パラクロスカントリースキーのレースは各障がいのカテゴリーごとに行われます。
カテゴリーには立位、座位、視覚障がいがあり、さらに各選手の障がいの程度(クラス)によって設けられた係数を実走タイムにかけた計算タイムで順位が決められます。
●レースの種目
スプリント(短距離)、ミドル(中距離)、ロング(長距離)の3種目があり、走法によって、クラシカル競技とフリー競技に分けられます。また国別対抗のリレーもあります。
質問2:クラシカル競技とは?
クラシカル競技のレースではクラシカル走法でのみ走ることができ、スケーティング走法を行うことはできないルールになっています。
クラシカル走法とは、専用の圧雪車で作られた2本の溝(シュプール)の中を滑り、スキーを左右に平行に保ちながら、交互または左右同時に前進する走法です。スキー板を交互にキックして進むダイナゴル滑走が中心で、ダブルポールで押す推進滑走などもあります。
質問3:フリー競技とは?
文字通り走法は自由ですが、主にスキーを逆ハの字に開き、片足で雪面をキックし、もう片方の足で滑る動作を交互に繰りかえし、ストックを後方に押しながら滑走するスケーティング走法が用いられます。

質問4:クロスカントリースキー競技のレースの種目を教えてください
パラリンピックや世界選手権などのクロスカントリースキー競技には下記の4種目があります。
(1)距離が約1kmのスプリント系種目
(2)5~10kmの中距離
(3)20km程度の長距離
(4)リレー種目
例えば、「10kmフリー」は「フリー走法によって10kmを競う種目」です。
●短距離のスプリント種目
まず一人づつコースを滑る予選を実施し、タイムの上位選手が準決勝などに進出します。決勝レースは、立位と座位が6名づつ、視覚障がいが4名づつ(ガイドを含めると8名)で行い、最初にゴールした選手の勝利となります。
●中・長距離の種目
選手が一人ずつ時間差でスタートするタイムレースで、最も速いタイムを記録した選手の勝利となります。
●スタートの方法
これまでは時間差でスタートする「インターバルスタート」が主に行われていましたが、近年は選手が一斉にスタートする「マススタート」も実施され、よりスリリングな競いあいが見られるようになっています。
クラスによって選手の人数が少ない場合はクラス、カテゴリー、男女も超えたオールコンバインドでレースが行われることもあります。

質問5:リレー種目について
リレー種目は、いろいろな障がいをもつ選手が一緒になって、それぞれの国ごとのチームをつくり、タイムを競います。男女混合のミックスリレーと組み合わせが自由なオープンリレーの2種類があります。
2.5km×4で実施し、走順ごとに走法の指定があり、1名の選手が2回走ることもできます。
・第1走:クラシカル走法 or座位(シッティング)
・第2走:フリー走法(スタンディング) or座位(シッティング)
・第3走:クラシカル走法または座位(シッティング)
・第4走:フリー走法(スタンディング) or 座位(シッティング)
●メンバー選定のルール
・選手ごとに決められた係数の4名の合計%がリレーごとに定められていて、その合計%の中でメンバーを組む。また立位と視覚の女子選手は15%、座位の男子選手は12%、座位の女子選手は27%がその選手の係数から引かれて合計%が計算される。
・ミックスリレー:第1走~第4走の係数合計が335%以下
・オープンリレー:第1走~第4走の係数合計が375%以下

