2009年12月20日(日)[荒井秀樹]
久保恒造の課題
19日、マイナス15℃・雪が舞うノルウェー。
バイアスロンパシュートのレースが行われた。
久保恒造が、最後まで粘りをみせ、5位に入る健闘を見せた。
パシュートは、1kmを3周し、周回ごとに射撃5弾を2回撃って争われる。
計10弾、1発外すと80mのペナルティループを回る。
(心拍180で撃つ久保恒造)
1周目走り終え射場に入った久保、いきなり2発外し、13位と出遅れた。
コーチからもため息が漏れる。
しかし、レースの様子が一変してきたのだ。
射場から無線で、ロシア、ウクライナの強豪選手たちも外しているとの連絡が入る。
他のライバル選手たちも、射撃を外す大混戦となってきたからだ。
スタート前、コーチからアドバイスをもらい、気合いが入る久保恒造。
今シーズン、バイアスロンの開幕戦だ。
(レース前にゼロイングを行う。紙的を撃ち弾痕を確認する)
練習でやってきたことを、しっかりと出し切ること。
自分の持ち味を、強みを生かしきることだ。
(「見送り」が大事だからね、と阿部コーチの指示を聞く久保恒造)
大混戦となった2回目の射撃、
「恒造、ペナ1」と無線が入る。
ペナルティループにいる小林先生が檄をとばす。
後は、走るだけだ。
イタリアのエンゾウに10秒負け、3位と20秒負けの8位で、1.5km地点を通過していった。
コーチたちから、最後の走りに、ゴールまで声援を送った。
3位まで6秒差の5位、あきらめない粘りの走りで入賞を果たした。
射撃タイムは、1回目47秒、2回目34秒。
初弾までのタイム18秒だ。
まだまだ改善が可能だし、久保恒造の目標は35秒だ。
彼を支えるコーチやスタッフたち。
個人競技に見えるバイアスロン。
でも、僕は思うのだ。
チームで戦い、チーム力で勝つ。
日本チームの一番の強みだ。
(防寒用に小林先生に、ワセリンを塗ってもらう久保恒造)
(シリンダーに空気を入れる、とても重く、一気に汗が噴き出る)
(久保恒造のスキー板を仕上げる莅戸コーチ)