2012年06月12日(火)[荒井秀樹]
車いす選手の体力測定から感じる医科学的サポートの必要性
横浜市スポーツ医科学センターで、選手の体力測定を実施しています。
数年前は日立ソリューションズスキー部アウローラの選手だけでしたが、最近は日本大学や早稲田大学のスキー部も横浜市スポーツ医科学センターで行なっているようです。
6月7日に久保恒造選手が測定しました。
大阪で行われた2012ジャパンパラ陸上競技大会に出場していた関係で遅くなっていましたが、センターの吉久先生から無事終了したとのこと。
「お世話になり、ありがとうございました。」
吉久先生からは、
「今回は体重・体脂肪がこれまでに比べて少なめでした。全体的に良い状態でキープされています。
最大酸素摂取量が少し低下していますが、これは測定終盤で腕の疲労が先にきてしまい呼吸系は最大レベルに達していないためだと思われます。」とのこと。
この持久力テストは、車いす用のトレッドミル(ランニングマシーン)がないために、測定用の自転車のペタルを手で漕ぐ方法で測定します。
久保選手からも、「腕だけが、怠くなるだけで、先に疲れてしまう」そうで、不完全燃焼的な終わり方をしているようです。
できればスキーに近い全身運動で測定できる器械があればいいのですが・・・
ノルウェーでは、大学の研究施設やスポーツ研究センターを利用して、シットローラースキーでの測定が可能です。
しかし、残念ながら日本では、オリンピック候補選手たちでさえ、今年から、国立スポーツ科学センター(JISS)でローラースキーでの測定が可能になったばかりです。
一日も早く、日本においても医科学的なサポートを強めなくては、オリンピック・パラリンピックに勝てないと実感しています。
シットスキーに近いローラーシットスキーでの最大酸素摂取量や乳酸測定は、ソチパラリンピックに向けたトレーニングを具体化するためにも重要と思います。
(ノルウェーのラーセン選手はローラーシットスキーで最大酸素摂取量測定を行なっている)
ちなみに、久保選手のお腹の皮下脂肪は、たったの約7mmです。
(羨ましい・・・・)