2014年08月08日(金)[太田渉子]
25歳、障がいのある子を持つ母との会話
私事ですが、先日25歳を迎えました。
誕生日前日、「スペシャルオリンピックス日本・夏季ナショナルゲーム福岡の壮行トーチラン」が山形市で開催され、私はドリームサポーターとして、
「大会を頑張ってください。仲間と楽しんでください!」
と激励の言葉をかけさせていただきました。
警察、消防、地元企業、ボランティアの皆さんの協力の下、「we are the torch run!」という、リーダの元気なかけ声の後に「torch run! torch run! torch run!」と、参加者が大合唱をして壮行トーチランを盛り上げました。
このイベントに参加したある女性が
「私の友人の子が、太田さんと同じ障がいです」
と、教えてくれました。話は続き、
「友人は子育てに悩んでいてお話したいそうなのですが、次はいつ山形に来ますか?」
と聞かれました。私は、何か少しでも相談に乗れればと思い、連絡先を彼女に伝えてもらうようお願いしました。
その夜、一本の電話がありました。
「こんにちは、太田渉子さんですか?」
と、若い女性の声でした。話を聞くと、
「8カ月の子供は生まれつき手がありません。障がいのある方と接したこともなく、誰に相談してよいか分からずに悩んでいます」
とおっしゃいました。
「太田さんは普通の学校に通ったのですか?どんなことで苦労しましたか?」
と、彼女。
「普通の小中高に通い友達にも恵まれました。今は、生活で不自由を感じることはないです。
心配しなくても大丈夫ですよ...。」
と返すと、
「ありがとうございます...」
と、彼女は電話の向こうで泣いていました。
きっと今までずっと一人で不安を抱えてきたのだろうと思い、母は本当に強いなと胸が熱くなりました。
「もし私の子が障がいを持って生まれたら驚くと思いますが、かわいいと思います。
母がしてくれたように、愛情をもって育てたいです」
と、正直に言いました。もう、彼女は泣いていませんでした。
「この子が生まれて、遠い存在だった太田さんを身近に感じました。
これから壁にぶつかったときは、相談させてほしいです。この子にも会ってください。
今日は勢いで電話してしまったけど良かったです。ありがとうございました!」
と、明るい口調でした。
この電話に感謝するのは私の方です。電話の女性と歳が近かったことで、相手の立場や気持ちで考えることができましたし、初めて母の想いや言動の意味を悟ることができました。お電話どうもありがとうございました!!
恥ずかしいけど伝えたい感謝の気持ち...お母さん、25年前、私を生んで育ててくれてどうもありがとう。
障がいをもって生まれたけれど、幸せです。なぜなら、人の痛みがわかるから。
私もお母さんのように強く優しい人間になりたい。これからも温かく見守っていてね。