2008年08月09日(土)[荒井秀樹]
久保恒造選手、ニュージーランド・ワナカへ
ニュージーランド合宿が始まった。
南島のワナカの街から車で1時間の「スノーファーム」だ。
外はマイナス7℃。
猛残暑の日本とは、まったくの別世界で、とても寒いし顔が痛い。
北海道美幌出身の久保恒造も、
朝、外に出ると「うわ~、寒い、寒い・・・」を連発。
さっそく、パウダースノーのコースをみっちり120分持久走した。
最後はシットスキー長距離の世界チャンピオン・クリス選手(米国)に、
「一緒に滑っていいですか?」と聞く久保。
「いいよ」と答えるクリス。
一応、社交辞令?で、
「ゆっくりお願いしますね」と、謙虚な久保。
しかし、実際に併走して、「力の違いがはっきりとした」と久保。
クリスのテクニックを肌で感じようと必死だ。
長距離の15kmレースで勝負しようとする久保にとって、ロシアやウクライナ選手らもいるが、
このクリス選手こそ世界チャンピオンだし、久保の目標・ライバルといっていいだろう。
当日の雪コンディションでクラシカルスキー板かスケーティング板を選んだり、ストラクチャーやワックスについても熟知しているクリスは、シットも、彼自身が作製した。
学生時代、スノーボードで崖から落ちて脊損の大怪我をしたクリスは、車椅子生活になってから、クロスカントリースキーに魅せられて、全てを独学で学んで取り組んでいる。
スポンサーを探し、企業回りをしながら年間をトレーニングに費やしている。
アメリカでは、彼のようなパラリンピックのプロ選手が沢山いると聞く。
それに対し、日本の選手らのトレーニング環境は、あまりにもかけ離れている。
日本のパラリンピックにおいても、プロ選手や企業所属選手、実業団チームが必ず誕生してくると確信する。
白銀の世界で、クリスと恒造のトレーニングを見ていると、そんな予感を感じさせる二人だった。
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