2009年09月25日(金)[荒井秀樹]
ロシアに勝つために
フィンランド・ボッカティ合宿が始まった。
驚くのは、ロシアチームだ。
約20人の選手と監督、コーチ。障害者スポーツ協会の役員も選手やチームをサポートしている。
ロシアは、シットスキーと立位選手の「ロシア1」チームとブラインド(視覚障害)の「ロシア2」チームに分かれて活動している。
監督・スタッフも別だが、予算や練習計画も違う。なんとユニホームも違うのだから徹底している。
まったく独立したチームで活動している。
ワールドカップには40人以上の選手がエントリーしていることから、2チームに分けて活動しないと指導が徹底しないのだろう。
今回ここにきているのは、女性監督イリナが率いる「ロシア1」チーム。
1ヶ月以上の合宿で、11月にも行うという。
このロシアに勝たなければ、我々の表彰台はない。
今日の射撃トレーニングでも、左右の射座をロシアに囲まれての練習だが、
長田弘幸、久保恒造とも初弾タイム10秒、リズム撃ちなど確実に実力をつけてきている。
今やらなければならないことを、しっかりやることだ。
(長田弘幸の射撃姿勢)
(ロシアチームはバイアスロンを重点強化している)
午後のスキートンネル、シットスキー練習のことだった。
シットスキーのチャンピオン、イレクの後ろに、ピッタリついて持久走する久保恒造に嫌がるイレク。
そんなことをお構いなしに、少しでもテクニックを盗んでやろうとする久保恒造。
そうだ、それでいい。
過去のデータと現在の実力を数値化し、
1km当たりの走力タイム、射撃タイム、そして射撃の命中率で戦う。
敵を知って、自分を知る。その差をトレーニングで埋めていく。
スキー部顧問だった渡部勤氏に教わった最大の武器だ。
「みてろよ、ロシア」
僕は、そうつぶやいた。
(阿部コーチの合図で射撃の正確さと速さを競う)
(軽負荷をかけ、実戦に近い射撃トレーニングする長田弘幸と久保恒造)