
2015年03月19日(木)[太田渉子]
ワールドカップ旭川大会を終えて
2/13から2/19まで北海道旭川市でIPCクロスカントリースキーワールドカップが開催され、私はボランティアで運営を支援しました。
昨年、開催が決定したときから、どんな小さな仕事でもよいので大会に関わりたいと思い、運営委員や地元の方と連絡を取り続けてきました。
私が主に担当したのは、表彰式の進行でした。
レース直後に大会会場で表彰式が始まるのですが、時間通りに人を集めることに一番苦労しました。
というのも、タイムテーブルには予め参考となる開始時刻が載っているものの、実際は全選手がゴールするまで分かりません。
暫定での結果発表後、15分ほどで公式記録に切り替わるのですが、抗議などがあればその発表は遅れるため、なかなか決まらないのです。
(慣れない司会の仕事)
表彰式には、表彰選手はもちろん、メディアや観客も参加するので、スムーズに来てもらえる工夫として、高校生の通訳ボランティアさんに各国のキャビンへ足を運んでもらい、選手を召集していただきました。
表彰式では、メダルとブーケが表彰選手に授与されました。
メダルは雨竜養護学校と美深養護学校の生徒さんの手作りで素晴らしく、ブーケは地元のボランティアさんが用意してくれました。
初日はとても緊張して、海外の選手の名前を正しく発音するのにとても苦労しましたが、回数を重ねるごとに良くなり、後半はスラスラと言葉が出てくるようになりました。
スポーツでも何でも練習して慣れるのが大事だと痛感しました。
日本の選手が表彰台へ上がったときはもちろん嬉しいですが、海外の選手も私にとっては顔馴染みばかりでしたので誰が勝っても幸せな気持ちになりました。
現役のとき、他の選手に「おめでとう」と笑顔で言うことができなかったことを反省しました。
(最終日、司会の仕事にもやっと慣れました)
6日間で5レースという多忙な日程でしたが、中日には地元でバリアフリーに取り組まれている「車いす紅連隊」さんの案内で旭山動物園へ行きました。
雪の中でも車いすユーザーを楽しく「おもてなししたい」という心遣いに感動しました。
雪道用に前輪のある車いすや車いすの方専用の観客スペースなどがありました。
(「車いす紅連隊」の職場を案内してもらいました)
また、旭川医科大学主催の「スポーツと健康」シンポジウムに登壇し、パネルディスカッションを行いました。
(基調講演は旭川医大の小原和宏さん、特別講演は荻原次晴さん)
大会最終日には前走も務めましたが、スタート前からゴールするまで本当にたくさんの方から激励していただき、胸が熱くなりました。現地まで応援に駆け付けてくれた皆様に、私からも感謝の気持ちを伝えたいです。どうもありがとうございました!!
(地元旭川の方や学生さんと一緒に前走をしました)
昔は自分のレースのことが第一でそれしか見えていませんでしたが、今回は大会を通して多くの方と交流することができ、大会運営の苦労や喜びなどを一緒に感じることができました。
その中でも、課題は2つあると思っています。
1つ目は、参加選手が少なかったことです。
通常、チームにはクロスカントリースキー選手とバイアスロン選手がいますが、今回はバイアスロン選手が参加していないようでした。
直前にアメリカ世界選手権があったので、資金面が厳しいチームもあったようです。
2つ目は私たちホスト国の英語力です。
海外の方の中には、日本人はいつも笑顔で嬉しいのですが、コミュニケーションが取れなくて残念とコメントしている方もいらっしゃいました。
次回の開催に向けて、自分ができることは、語学力と体力を向上させることと、今回関わってくれた方々と引き続き、連絡を取り合っていくことだと気づきました。
今後に生かしていきたいと思います。
最後になりましたが、本大会に協力していただいたすべての皆様に感謝します。
ありがとう選手!ありがとうボランティア!ありがとう運営委員!ありがとうスポンサー!ありがとう旭川!!