2008年03月18日(火)[新田佳浩]
ウィスラーで感じたスキーコース攻略を左右する気象状況
2010年に行われるバンクーバーパラリンピックのコースが完成し、大会と視察を兼ねてウィスラーに来ることで、2つの点で有利に働くと考えられる。
まず競技面では雪質を事前に知ることで、ストラクチャーを予想して準備できることである。
以前ブログでも紹介したが、ストラクチャーの種類によって勝敗は大きく左右される。
ドイツW杯、10kmクラシカルでイルカ選手に最後で逆転されたのも、ストラクチャーによる部分が大きかったと思う。
そしてコース戦略、ワックスでも、事前に状況がわかることで戦略、戦術を海外選手より先に立てられることで有利である。
続いて環境面では現地での食事やコースまでのアクセス、車いす対応の施設なども、事前に情報があったほうがチームで対応しやすい。特に車いすの選手にとって、トイレやお風呂などホテルや買い物などの日常に関わることがわかることは、良いことであると思う。
今回は競技面で、大会会場やウィスラーの気象条件、雪質のことをもう少し掘り下げて、紹介したいと思う。
(ワックステストする新田選手)
まず、大会会場はウィスラーから約20km離れた「Callaghan Valley」のWhistler Olympic parkというところで行われる。
ウィスラーにもクロスカントリースキーのコースがあるのだが、オリンピックのためにコースを作ったため、ウィスラーからかなり離れている。
標高は900mに満たない場所であり、ソルトレイクやトリノのように高所ではないため、高所に対する準備を事前に行う必要はないが、ここのコースで一番厄介なのは、気象条件がその日によって変わるということである。
今回早めに現地入りし、ワックステストを行ったが、今まで1日として同じ天候の日はなかった。特に今日は3月にもかかわらず、10cm近く雪が降り前日までの雪質とは大幅に変化した。
ここにきて特に感じたことは、コースを攻略するためには、スキーの【心技体】のほかに、気象状況も大きく左右するという印象を受けた。