2008年09月02日(火)[荒井秀樹]
パラリンピック選手を支えるエンジニア
北京パラリンピックが、もうすぐ開幕する。
オリンピックに負けない熱戦が繰り広げられるだろう。
そんな選手を用具面からサポートする人たちが沢山いる。
30日の土曜日、久保恒造選手のシットスキー開発を依頼しているOX社(オーエックスエンジニア)を訪れた。
(車椅子をかたどった素敵なモニュメント)
(店内には、いろんなスポーツ用車椅子が展示してある)
OX社は、車椅子スポーツのマラソン・レーサーや車椅子バスケ、車椅子テニスなど沢山のスポーツ用車椅子を開発している。
そして長野パラリンピックからシットスキーを開発・製作してきたのもOX社だ。
日本の第1人者である飯星龍一さんが、直接、久保選手のシットを担当してくれている。
その障害や体型、選手の能力にも合わせて作るスポーツ用車椅子は、天下一品で、もちろん選手からの信頼も厚い。
この日も、クリスモデルの改良型シットスキーの打合せだった。
腰の高さ、膝の位置、踵の高さ、前傾の角度など、一つ一つパソコンを使い決めていく。
ニュージーランドの合宿期間中、クリス選手の協力も得て、クリスモデルの分析を行った。
インカレで活躍する中大スキー部の鉢蝋(はちろう)選手や新田佳浩選手も加わり、クリスモデルの試乗、計測と計量、重心バランスポイントの調査などを実施した。
(クリスのシットスキーを研究中)
その分析・研究結果が、飯星さんの手によって形になろうとしている。
そしてクリスモデル1号が完成する9月にフィンランドのボッカティにあるスキートンネルで、試走テストを行う予定だ。
久保選手が考案したレーサーモデル、そしてクリスモデル。
フィンランドでのテスト結果が待ち遠しい。
僕も飯星さんも、もちろん恒造も、
完成間近のシットを見つめながら、
「表彰台に上がる久保選手の姿を」描いていたに違いない。
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