articleID:5887;categoryID:463

世界の頂点をめざし、パラスポーツの裾野を広げたい!日立ソリューションズ「チームAUROEA(アウローラ)」の選手・監督が、日常の素顔から大会日記までをお届けします。

世界の頂点をめざし、パラスポーツの裾野を広げたい!
日立ソリューションズ「チームAUROEA(アウローラ)」の選手・監督が、
日常の素顔から大会日記までをお届けします。

ここから本文

パラリンピックのスポーツ用車椅子が完成するまで

フィンランド合宿では、久保選手の用具を開発するためにシット部分の性能テストを行っている。


北京オリンピックやパラリンピックでも水着問題がクローズアップされたり、義足選手のオリンピック出場問題があったり、スポーツと用具との関係がこんなにも注目された年はないだろう。


[写真]久保選手のシットスキーを開発
(久保のシットを開発する。)


北京パラリンピックでも車椅子選手が使うスポーツ用車椅子は、大変な進歩を見せている。
一人一人の障害も違うので、それにあった用具が必要になってくるし、もちろん各競技の特性にあった機能がないとダメだ。


[写真]シットスキー開発のためにお尻の型を取る
(お尻の型をとり、FRPのバケットシートが完成する。)


選手とコーチやメーカーとのチームワーク、そして議論がなければ、いい「物作り」はできない。
昨日は、平地、登り、下り、そして総合滑走のスピード測定とフィーリングテスト、バランステスト、伏せ・起き上がりタイムなどをテストした。
このデーターこそが、その議論する基礎資料になる。


[写真]測定にはスピード測定器を使う
(測定にはスピード測定器を使った)


どうしても冬の季節、雪の上でないと測定できないものばかりだ。
しかし、太田渉子が留学しているフィンランドのボッカティには、室内クロカンスキーコースがあり、
一年中スキートレーニングができる。
このスキートンネルでテストを行った。


[写真]スキートンネル
(これがスキートンネル)


トンネル内は、マイナス7℃で保たれ、なんといっても寒い!
久保選手は動いているからいいが、機器を設定したり記録したりする僕にとっては、とても寒い。まるで冷凍庫にいるようだ。
午前中、3時間いたから、その日は一日中身体が冷え切っていた。


[写真]スキートンネルは寒い
(スキートンネルで、「とにかく寒い!」)


でも、いいシットスキーが完成するなら、こんな寒さは逆に心地よい!
僕は、そう思えるのだ。
なぜなら、選手たちの笑顔は本当に素敵だから・・・


[写真]太田選手と久保選手
(もうピースが似合わなくなってきたと嘆く久保選手だった)


▼ パラスポーツと道具 関連記事
パラリンピック選手を支えるエンジニア
パラリンピックと道具の問題
進化し続けるレーサー


▼ シットスキー 関連記事
シットスキーの開発
新型シットスキー


▼ 関連特集
[イラスト]荒井秀樹監督荒井監督のパラリンピック競技ノルディックスキー講座
 > 障害者スポーツ選手の用具の工夫


パラリンピック冬季種目