2008年09月18日(木)[荒井秀樹]
パラリンピック界のスナイパー
冬のパラリンピック競技には、アルペン、ホッケー、カーリング以外に、クロスカントリースキー競技とバイアスロン競技がある。
このバイアスロン競技は、ヨーロッパで大変な人気のあるスポーツで、大会となると沢山の観客が押し寄せるそうだ。
日本では、あまりなじみのない競技だが、トリノパラリンピックで井口深雪(旧姓小林)が金メダル、太田渉子が銅メダルの活躍で一躍有名になった。
ここ太田渉子の留学先ボッカティには、ローラースキーコースと併設されたバイアスロン射撃場がある。
ここでは、ジュニアの育成も進んでおり高校生も沢山トレーニングしている。
ライフルもシニアが使用する銃を使い、厳しいコーチの声が飛んでいた。
日本のバイアスロン環境とは雲泥の差があり、ジュニア強化の対策が急務だ。
渉子も、そんな彼らに混じって練習をする。
パラリンピックで使用する銃は、4.5mmの鉛弾のエアーライフル。
今年から新しく渉子の専属バイアスロンコーチになったビィレ氏。
ビィレ氏は、フィンランドのジュニアナショナルチームのコーチもしており、多忙を極めるが渉子の指導を年間を通してお願いすることができた。
今シーズンから本格的に取り組む久保は、
銃の基本的な構えやスリングをフィンランドナショナルチームの射撃コーチに見てもらうことができた。
通訳は、渉子がしてくれた。
フィンランド語と英語を交えながら、
親切に教えていただいて、とても感謝している。
現在の久保は、負荷をかけない射撃練習で、80%の命中率まできている。
これから90%以上を目標にトレーニングするが、
今後、ローラースキーコースをピッケで走り、負荷をかけ、心拍数の高い状態での射撃練習へ移行して行く計画で、根気よく身体で覚えていく地道な訓練が求められている。
パラリンピック界のスナイパーをめざして・・・
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