2008年12月09日(火)[荒井秀樹]
選手をささえるバイアスロンコーチ
厳寒が続くフィンランド、バイアスロン合宿が始まった。
まだお昼前の11時だというのに、外はもう暗い。
そんはダーク色の中で、長田、久保がバイアスロントレーニングに汗を流している。
(命中ごとに「よし」の声)
ここに留学している渉子は、フィンランドの国内大会に出場するために、北へ200km、朝7時に出発した。
10kmのフリー種目のレースだ。
新田は、一日遅れの今日到着する。
ここには、ロシア、ウクライナチームが1か月以上も前からバイアスロン合宿に入っていて、
デフリンピックのウクライナチームも選手10名、合宿に来ているから驚いた。
期間も3週間だという。
(バイアスロントレーニングするロシアチーム)
ロシアチームは、監督イリナがここまで強くしてきた。
彼女をを中心に、とても強固にまとまっていて、
その結束の強さは世界でもナンバー1だろう。
新人も毎年増えているし、選手への教育もしっかりしている。
日本チームの佐藤圭一選手の友達でライバルのアレク選手は、いつも明るく、イリナ監督の作業を手伝っていた。
そんなアレクも、日本選手のことが気になるらしく、「圭一は?」と聞いてきた。
世界選手権、ワールドカップで戦うのが楽しみだ。
(ロシアのアレク選手、いつも笑顔が帰ってくる)
僕たちも、そんなロシアやウクライナチームに負けまいと、スキーで追込み、
射撃トレーニングに取り組んでいる。
課題は、心拍数と呼吸調整の関係、
初弾までの所要タイム短縮と命中率アップ。
阿部コーチが、一つ一つ丁寧に指示していく。
(シットスキーで追込み射場へむかう)
(選手に銃を渡す阿部コーチ)
(弾痕を確認する阿部コーチ)
選手たちは、10m離れた1.5cmの標的を狙い、
ヒットすれば「よし!」
少しでも外したら、
その方向、「11時!」
「カット、6時!」と
弾痕を知らせる阿部コーチの声。
選手たちは、それを聞きながら修正をしていく。
1時間、2時間とトレーニングが続く。
選手たちは汗をかき、心臓の音が白い息となって聞こえてくる。
コーチは、射座に立ち、辛抱強く、選手を迎え入れる。
身体が凍っていくのがよく分かる。
阿部コーチは、北海道美幌出身。
自衛隊冬戦教から10年前に介護の仕事についてきた。
心優しい元五輪代表選手だ。
(久保選手の弾痕、的中する。)
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